最近はオペラなどのステージを
主に撮影していますが、
もともとクラシックに興味があったわけではありません。
また、映画やドラマ。
しかも1台のカメラで
カットを撮影する現場で育ったので、
複数のカメラを使って撮影するなんて
考えたことがありませんでした。
現実問題
放送局の副調整室で
リアルタイムでカメラを切り替えて行くなんて
器用なことはとてもできませんでした。
ただ、放送局や制作プロダクションなどで
誰か責任を取ってくれる人のいる現場では、臆していた私も
いざ、全責任がかかっている今の現場では
そんなことも言ってられません。
そこで、ステージなど
1度きりしか撮影できないときは、
だいたい5台のカメラを使っています。
●ビデオカメラ① メインの主だった登場人物複数人の芝居 引き目固定サイズ
●ビデオカメラ② 主役のアップサイズ
●ビデオカメラ③ サブ役のアップサイズ
●コンパクトデジカメ 主役クラス登場人物2Sなど
●iPhone ビデオカメラ①より引く全体サイズ 固定
ビデオカメラ①とiPhone以外は
すべて私1人でカメラを操作します。
カメラマンを雇うお金がないからですが、
大きな理由としては
一番欲しい画が撮影されていなかった時に
編集時に役に立つからです。
なにせステージは1度きりの
取り直しできない一発本番。
取り逃して
“その場面だけ無し”
ということはできません。
だから、正直
本番の撮影の時はストーリーなんて
追っていません。
その時々で主役や
それをもり立てる助演の役の
感情のこもった歌声や表情に
自然に寄りたくなってしまうのです。
だから、編集時に初めて
歌詞がわかったり
ストーリーがわかったりすることもザラ(笑)。
わたしの感覚があっているかどうか
わかりませんが、
「クライマックスなど力のこもった演技”には
熱演する人の顔に寄る」という
ドラマ時代に培った経験則が生かされています。
ただ、1人でやっていると
ズーム操作がガクガクしたり…
三脚でうまくアングルを固定できず画像がブレてしまったり…。
また、一番欲しい感情のこもった
表情がカメラで収録できていなかったり…。
撮影ではそんなこと
しょっちゅうです。
だから、捨てカメラという
予備カメラが重要になります。
ステージ全体を
最初から最後までロングの固定アングルで
撮影するカメラです。
ステージに立っている
全員が映るアングルです
編集では
特に撮影された下手さ加減をうまくごまかすために
この捨てカメラの画を使います。
わたしにとって
編集は自分のカメラ操作をごまかすための
手法なのです。
わたしのやり方正解ではありません。
ましてや、本職のカメラマンから言わすと
サイズなど全くのデタラメ。
わたしが本職の編集マンだったら
撮ったカメラマンに腹を立てるでしょう。
自分で撮ったから
自分でなんとかせざるを得ない…。
「なんとか人に見せられるものにせざるを得ない」
というのが実情です。
ただ、複数カメラを使うことにより
編集を経て動画を見ている人を
極力飽きさせずに見てもらうための
努力はさせてもらっているつもりです。