ピアニストの大家純子さんが企画・構成・演奏を手掛けるコンサート「一時間のクラシック」シリーズより、新着動画を公開いたしました。
今回は、アメリカの作曲家ジョージ・ガーシュウィン(1898-1937)が作曲した、ピアノ独奏のための名曲『三つのプレリュード(Three Preludes)』をお届けします。
🎷 今回の聞き所・注目ポイント
サクソフォンの音色にぴったりな名曲を、ロシアの女性奏者のアグレッシブなアレンジで!
ピアノのために書かれたこの3つの小品には、ガーシュウィンならではの魅力が凝縮されており、サクソフォンの音色にも見事にマッチします。
- ビッグバンドを連想させる、シンコペーションの躍動的なリズム
- 都会の夜の気配を感じさせる、しっとりとしたブルース
- クラクションが鳴り響くような、都会の喧騒
今回どうしても演奏したかった、ロシアの女性サクソフォン奏者による特別なアレンジでお届けします。楽器の特殊奏法もふんだんに散りばめられた、アグレッシブなはじけっぷりをぜひお楽しみください!

■ 楽曲解説
1. 作品の概要と初演
本作品は、1926年12月4日にニューヨークのホテル・ルーズベルトにて、ガーシュウィン自身のピアノによって初演されました。
1920年代に入り、クラシック音楽とジャズを融合させたスタイルで『ラプソディ・イン・ブルー』(1924年)や『アメリカ人のパリ』(1928年)などの大成功を収めていたガーシュウィンが、その独特なスタイルをピアノ独奏曲へと昇華させた重要作です。
2. 作曲の背景
当初、ガーシュウィンは「7つの前奏曲」を計画していましたが、最終的にこの「3つ」の作品に絞り込まれました。クラシック的な形式の中にジャズのリズムやハーモニーが巧みに取り入れられた短い作品群であり、それぞれが全く異なる雰囲気と際立った特徴を持っています。
3. 各曲の音楽的特徴
1.Allegro ben ritmato e deciso
速いテンポで、活気に満ちたリズムが特徴的な楽曲です。ブルースの影響が非常に強く、シンコペーションやブルーノートが効果的に使用されています。力強いテーマとリズミカルな伴奏が交互に現れる、エネルギッシュな構造を持っています。
2.Andante con moto e poco rubato
ゆったりとしたテンポで演奏される、叙情的なブルース風の楽曲です。ガーシュウィン自身はこの曲を「ブルース・ララバイ(Blues Lullaby)」と呼んでいました。メランコリックでありながらも美しいメロディが印象的で、しっとりとした大人の雰囲気を醸し出しています。
3.Allegro ben ritmato e deciso
再び速いテンポへと戻り、ラテンアメリカのリズムが大胆に取り入れられた楽曲です。リズミカルで生き生きとした曲調が特徴で、ピアニストの技術を最大限に活かした華やかなパッセージが随所に登場する、フィナーレにふさわしい一曲です。

4. 現代における芸術的価値
この作品は、ガーシュウィンの作曲家・ピアニストとしての才能とスタイルを理解する上で欠かせない重要作です。ジャズの即興性やグルーヴ感、それらが初演から100年近くが経った今日もなお、世界中の数多くのピアニストに愛され、演奏され続けています。
皆様のご視聴を心よりお待ちしております。